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時間を気にせずに、何でも話してすっきりしてもらいたい
―どのような症状を訴える患者さんが多いのでしょうか?
当院では約80%がうつ病、あるいはうつ状態です。残りの20%は統合失調症、神経症性障害(社会不安障害、強迫性障害、パニック障害)などです。うつ病の発症は非常に多く見られ、決してめずらしい病気ではなく、心の風邪と言われるように、むしろよくある病気のひとつです。最近目立つのは、軽症のうつ病です。何をするにも億劫になり、意欲や集中力の低下や、食欲不振、不眠、頭痛、肩こり、めまい感などの症状があらわれます。これらは薬によって、症状の改善が期待できます。うつ病の薬は副作用が強いという間違ったイメージが横行していますが、開発も進み、副作用が少ない薬がたくさんあります。
―うつ病の初期症状はありますか?
誰でも大切な人と別れを余儀なくされたり、大きな失敗をしてしまえば落ち込むものです。落ち込むと、食事が喉を通らなくなったり、よく眠れなくなったり、集中力をなくしたりした経験があると思います。単なる落ち込みとうつ病の最大の違いは、どんなに落ち込んだときでも、日が経つごとに症状が軽くなっていくと思いますが、うつ病は症状が軽くなることはありません。むしろ悪化することがあります。一方、落ち込むような出来事がなかったのに、どうも気持ちが晴れない日が続く、いつもの自分とは違う感じがするというときは早めにメンタルクリニックを受診してください。早めに治療を開始すればその分だけ早い完治が望めます。
―予約制を取っていないのはどうしてですか?
患者さんにとっては診療時間の予約ができる方が便利だとは思いますので、ご不便をかけていることと思います。しかし、診療の時間は全く予測がつかないので、現在は時間の予約制を取らずに、その分、患者さんが納得できるまでとことんお話を聞くようにしています。患者さんには時間を気にせずにお話をしていただきたいと思っています。そもそも、開業を決意したのは、時間に追われながら診療をしなくてはならないことに疑問を感じたからです。開業前と同じことをしていては開業した意味がないですから。しばらくはこのスタイルで診療を続けていくことになると思います。
―思い出に残る患者さんとのエピソードをお聞かせください。
精神科の診療は、治療終了までの期間が他の診療科よりも長いので、おのずと長いお付き合いになっていき、どの患者さんにも思い入れがあり、治療が終了しても、折に触れて「あの患者さんはどうしているかな」と思い出すことがあります。そのようなときに、患者さんからお便りや連絡が届くこともあります。嬉しい報告や元気でやっているという知らせを耳にすると嬉しいですし、改めて、精神科は人間対人間の診療科なのだなと気づかされますね。
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