

―さまざまな大きな病院で力を発揮されていましたが、開業されたのはどうしてですか?
勤務医というのは、本当に忙しいんです。時には2週間家に帰れないこともありましたし、体力勝負のところがあるんですね。体力の衰えを感じ始める40歳近くになると多くの医師が、自分のその先を考えるものなのです。ある者はそのまま組織に残る、またある者は研究を深める、そして、あるものは組織を離れて開業する、というように。私の場合は、患者さんとじっくりと向き合って治療したい、そして、子どもを含めて家族みんなの健康管理する家庭医としてお役に立ちたいと思ったのです。それで、40歳を前にして開業しました。
―どんな地域医療を目指されていますか?
核家族化が進んで、今の時代は『おばあちゃんの知恵』が伝承されにくい時代です。『おばあちゃんの知恵』というのは、病院にいくほど大きな病気ではないけれど少し体調が悪いというときに役に立つ、ちょっとした方法ですよね。皆さんに、このクリニックを『おばあちゃんの知恵袋』と思っていただきたいと思っています。気軽にご相談に来ていただいて日々の健康や生活などのお話しをしてください。帰宅されてからも患者さんの生活は続きます。暮らしののなかで病気とどううまく付き合っていくか、ということが大切なんですよね。「あ、あのときこんなことを言われたな」と、私のことばを思い出して、生活に活かしていただければ嬉しいですね。
―開業の地を港北ニュータウンに選ばれたのは?
開業したのは今から16年前で、当時周辺は東急と道路、原っぱしかありませんでした。遠くには新宿の高層ビル街が見えていましたよ。ここが開発されることはすでに知っていて、何もないところから新しく発展する街への期待がありましたね。現在、15歳未満に対する小児科の数が、全国平均で1400人に対して1人であるのに対して、都筑区は800人に1人となっています。患者さんにとっては住みやすい街といえると思いますね。