
―診療の際に心がけていることをお聞かせください。
心がけているのは、丁寧に話して、見落としがないように丁寧に診ることです。じっくりと患者さんの話しを聞きたいのですが、待合室が混雑してくると、待っている患者さんのことも気になってしまい、ジレンマを感じながら、手早く診察を終えてしまうこともあります。最善の努力をはらっているつもりですが、患者さんの中には「もっと、話を聞いて欲しかった」と、あるいは待ち時間が長かったと感じられている方もいらっしゃるでしょう。
―内診に抵抗を感じる女性も多いと思いますがいかがでしょうか?
まれに、患者さんによっては露骨に内診を嫌がる方もいらっしゃいますが、どんな方でもできれば内診はして欲しくないと思っているはずです。ですから、できるだけ手早く、不快感のないように行うようにしています。婦人科系の病気は自覚症状がないものが多いので、問診だけでは見逃してしまうこともあります。内診を行って、他に問題がないかをきちんとチェックしておくことがとても大切なのです。
―産婦人科医が少ないことが危惧されていますね。
全国的にも少ないですが、特に神奈川県でも産婦人科医の数は不足しています。極端な話ですが、このまま産婦人科医不足が進めば、まずは産婦人科医を予約してから妊娠しないと、出産難民になってしまうことになりかねません。私自身、長年にわたって産婦人科の現場にいて、過酷な現場であることを熟知していますので、今の医学部生が産婦人科を避ける気持ちもわかります。新たな産婦人科医のなり手がなく、ますます過酷な現場になるという悪循環の一途をたどっています。そして、一番に不利益をこうむるのは患者さんですから、早急に対処せねばなりません。もはやこの問題は、国を挙げて取り組むべき問題でありますが、産婦人科医である私個人としても、何か力になれないかと思索しているところです。
―今後の展望についてお聞かせください。
産婦人科医が激減している現状で、自分の持っている力を全て駆使して、地域のみなさんに貢献していくしかないと思っています。私の年齢から計算して、後どれくらい産婦人科医として活躍できるかはわかりませんが、自分の体力が続く限り、一生懸命にやっていきたいですね。